【リノベ暮らしな人々】
vol.5 フルリノベーションと黒板の家
今回は、結婚と同時期にタイミングよく出会った築35年のマンションを安く購入し、リノベーションにたっぷりと予算をかけて自分達好みの空間を手に入れたSさん夫婦の住まいづくりをご紹介します。
住まい探しのきっかけ
学生時代に雑誌でリノベーションという家づくりの選択肢を知り、「いつか家を購入するなら、中古マンションをリノベーションする!」と決めていたというSさん。住宅購入の計画はありませんでしたが、結婚を決めた時期にタイミングよく不動産情報サイトで破格な中古マンションを見つけたことがきっかけで、住まいづくりが具体的に動き出しました。
住まいの探し方
ご主人の勤務先に近いことを条件に物件を探し、昔ながらの街並みで観光客を魅了する「小江戸・川越」の旧市街にありながら、値頃感のある約70平米のマンションを見つけたSさん。 「この物件価格なら、リノベーションにたっぷりと予算をまわせる」と考えたと言います。 フルリノベーション(※)が前提だったので、既存の間取りや部屋の状態はあまり気になりませんでしたが、物件購入前にリノベーションを依頼する予定のデザイン会社と一緒に物件を内覧し、どのような改装が可能かを確認したうえで購入の意志を固めました。 (※)フルリノベーション:内装を全て取り払い、配管なども含めてほぼ1から作り変えるリノベーションのこと
リノベ暮らしのこだわりポイント
デザイン会社のデザイナーとの打ち合せでは、まず自分たちの好みのイメージを伝えるために、雑誌の切り抜きなどを集めたスクラップブックを用意したというSさん。そこで目指したのは、60年代の映画に出てくるアメリカの古いオフィスのような家。購入予定のソファーやダイニングテーブルなどの家具のテイストと似合う質感や色を選びました。
●リビング
奥コンクリートの躯体をペイントした白い壁と、グレーのカーペットを敷き詰めたリビングは、木製の建具が空間のポイントに。
●キッチンダイニング
キッチンダイニングはステージのように一段上げ、オークの無垢フローリングをパーケット張りに。
素材の変化と段差が意識を切り替えています。
●黒板
玄関通路とLDKを仕切る引き戸にはマットな黒板塗装を施しました。
●見せる収納
右:シューズボックスも扉を設けずオープンに。結果的にコストダウンにつながりました。
●洗面台
S邸の暮らしやすさの1番のポイントは、スムーズな生活動線。
玄関を入り、左側のドアを開けると、そこは細長いウォークスルークローゼット。クローゼット内には洗濯機スペースが設けられ、引き戸の先には洗面所&浴室が続きます。
「クローゼットと水回りがつながっていると、朝の身支度や帰宅して部屋着に着替えるときに好都合!脱いだ洋服が部屋に散らかることもありません」。
リビングとクローゼットを結ぶ通路を兼ねた洗面・脱衣スペースは、使用していないときには引き戸を開け放してリビングの一部に取り込んだり、部屋の行き来をスムーズにする動線として機能しています。
間取り図で見るビフォーアフター
全ての内装を取り払ったフルリノベーション。和室はキッチンに。細長いデッドスペースも書斎にするなど、スペースを有効活用しました。
リノベ暮らしInfo
- ■家族構成:
- 夫婦2人
- ■専有面積:
- 73.59m2
- ■既存建物竣工年:
- 1978年
- ■設計・監理:
- 株式会社ブルースタジオ
- ■施工:
- 株式会社シグマテック
■取材後記■
中古物件を購入し、デザイナーと話し合いながらオーダーメイドでリノベーションするという住まいの選択肢。最近はその認知度も上がり、「自分の価値観にフィットした空間で暮らしたい」という要望は、益々スタンダードになってきています。
リーズナブルな中古マンションを選び、自分達好みの空間づくりに重点的に予算をかけ、理想のライフスタイルと住空間を手に入れたSさん夫婦。キッチンの棚にリズミカルに飾られた食器やグリーン、黒板に描かれた可愛らしいイラストなどから、住まいの完成後も日常の暮らしを楽しんでいる様子を伺うことができました。
デザイン以外にも、普段の生活行動から考えられた間取りは、まさしくSさん仕様で暮らしやすそう。フルオーダーでリノベーションする醍醐味がたっぷりと詰まった素敵なお住まいでした。














