【リノベ暮らしな人々】
vol.2 将来変更可能な余地を残した住まいづくり
第2回目の「リノベ暮らしな人々」にご登場いただいたのは、名建築と呼ばれる賃貸物件に住んでいたSさんご夫妻。 普通の新築マンションでは物足りないと思っていたSさんご夫妻の、リノベーション住宅の購入のきっかけと、自分たちの暮らし方についてお聞きしました。
住まい探しのきっかけ
ご主人:買うことは全く意識していなくて、以前住んでいたところもそうでしたが、賃貸住宅の名作を転々としたいと思っていました。ただ賃料がとても高くて・・・。毎月それなりの額を払うなら買ってしまった方がいいと思い始めて、いろいろ物件を見に行きました。
友人とシェアしていたオフィスがリノベーション物件だったので、リノベーションに対する抵抗はなく、賃貸の名作建築を転々とするか、買うならリノベーションと決めていて、新築分譲マンションという選択はなかった。何度か新築分譲マンションも見て回ったけれど、どこへ行っても面白みの無い○LDKの田の字プランばかりだし、ドアノブ、クロスなども無機質な感じがする。逆に、個性的な中古のデザイナーズリノベーション物件も見ましたが、それはそれで前の人のライフスタイルや個性が露呈し過ぎていて、居心地が悪く感じました。なかなかバランスの良いものがありませんでしたね。
住まいの探し方
ご主人:そんな時、たまたまポストに投函されていたチラシでこの物件のことを知りました。 よく見ると「森のリノベーション」や「無印良品+ReBITA」のコンセプトルームなど面白そうな内容だったので、冷やかし半分で見学に行きました。 奥様:そして一週間後には契約してた(笑)
ご主人:購入したのは「無印良品+ReBITAリノベーションプロジェクト」のコンセプトルームで、既にリノベーションされた物件だったのですが、隅々までよく考えられた合理的な住居だなと思いました。 画一的な田の字プランではなく、かつデザインされ過ぎたものでもない、緩く仕切られたプランが気に入りました。 ある雑誌で「家を買うことは、自分の将来のライフスタイルを思い描くことだけれど、それは実際難しい。だったら、将来変更可能な余地を残して住まいづくりを考えることが大切なのでは?」と書かれていたのですが、まさにその言葉がぴったり当てはまる住宅だと思いました。
リノベ暮らしのこだわりポイント
ご主人:ゆとりある空間にメリハリをつけるため、 畳=寝る、洗濯ものをたたむ。ダイニング=お茶する、食べる。リビング=くつろぐ。 といった風に、一つの空間を家具で区切って使っています。
●畳 ご主人:もともと寝室として設計されていた場所を今は書斎として使い、寝る場所はこの畳スペースに布団を敷いて使っています。「畳」って万能で、「寝る」だけでなく「洗濯ものをたたむ」「くつろぐ」・・・・などなど、ひとつの場所でさまざまな行為を受け入られる。 奥様:私はソファ大好きだったのですが夫に処分されたので(笑)、今はこの畳でくつろいでいます。
●ダイニングテーブルと低座椅子
ご主人:ダイニングには、低めのテーブルと低座椅子のコレクションを置いています。
椅子は、戦後の工業デザイナーたちが、日本人の生活様式に合わせてデザインしたもので、食器を手に持って食べる文化にはテーブルや椅子の高さは低い方がよいというのが彼らの考え方です。この低座椅子は胡座もかけるし正座もできます。
奥様:私は食事のときは正座してます。
ご主人:しかも、低いほうが空間的な圧迫感がなくなって気持ちいい。
そして、30年後くらいにはここに長さ3メートルくらいの大テーブルを置いて、仕事も家事も、食事するのも人が集まるのも全てできるような場所をつくりたいと思っています。
●コージーコーナー
以前はリビングにソファを置いていたのですが、部屋に圧迫感もでるし、楽なのはいいんですが、友人たちた遊びに来た時に寝てしまう人が続出して処分することにしました。それで、今はソファの代わりにコージーコーナー(居心地の良いスペース)をつくり、イージーチェアとサイドテーブル、フロアライトを置いています。
●光を楽しむ
白い家は照明を選ぶのがとても楽しい。夜を楽しむためにテレビ後ろに仕込んだ照明や、北欧デザインのハンス・アルネ・ヤコブセンのヤコブセンライト。間接照明も、背景が白い壁なら、光の明暗を楽しめます。
●飾り棚のある生活
「モノを飾ることが住人と家の個性を育てていく。」と建築家・中村好文が言っていたように、飾り棚って大切だなと思います。今は飾るものが少ないのですが、人生の楽しみとして、思い出の品などを徐々に増やしていこうと思っています。
●広々造作キッチン
ご主人:キッチンがとても広いので、料理をするようなりました。
奥様:夫が毎日作っています。
ご主人:得意料理は蒸し料理。
これからのリノベ暮らし
ご主人:畳スペースを和紙のバーチカルブラインドで緩く仕切って小部屋をつくろうと思っています。畳スペースは寝る場所でもあるので少し仕切りが欲しかったのですが、壁をつくるほどではなかった。昼間は開け放して、夜寝る時だけは仕切る。視界と空気を緩く仕切る程度のブラインドが調度いい。今、工務店に見積りをとって調整しています。
一般マンションでは考えられないほどフレキシビリティがあること、間取りの自由さがこの家の魅力です。たとえばウォーインクローゼットを、子ども部屋にしたり、その都度考えていける余地があることが楽しみ。生活にメリハリをつけるため、5年ごとに定期的にレイアウトを変えて変化を楽しみたいと思っています。
写真で見るビフォーアフター
【Before】
【リノベーション工事中】
【After】
リノベ暮らしInfo
- ■家族構成:
- 夫婦2人※取材時
- ■専有面積:
- 68.09m2
- ■既存建物竣工年:
- 1992年
- ■事業主
- 株式会社リビタ
- ■企画
- 無印良品+ReBITA リノベーションプロジェクト
■取材後記■
「家を買うことは、自分の将来のライフスタイルを思い描くことだけれど、それは実際難しいことです。家族構成や趣味・趣向の変化など、ライフスタイルは変化するものだから。」
そんな変化に対応できる住まいとしてSさんが選択したのは、画一的な田の字プランではなく、かつデザインされ過ぎたものでもない、将来変更可能な余地を残した住まいでした。
インタビュー終了後、Sさんが見せてくれた4枚のスケッチプランには、子供の成長に合わせて変化する将来のプランが描かれ、Sさんはそれぞれの特徴、使い方を楽しそうに話してくれました。
当時は2人暮らしだったS邸も、今は子供が産まれ、1枚目のスケッチプランを具現化しはじめているようです。
「変化を楽しむ」S邸は、70平米という実際の広さに収まらない可能性と楽しさに溢れていました。













