【リノベ暮らしな人々】
vol.20 土間が主役の住まい
今回は、一級建築士の資格を持つMさんご夫婦のお宅をご紹介します。「家は出来たときが完成じゃなく、時間をかけて自分らしくしていくもの」と語るMさんは、自らが考える理想の住まいをつくり、カスタマイズすることで暮らしを楽しんでいました。
住まい探しのきっかけ
もともと引越し好きのヴィンテージマンション好きというMさんご夫婦。結婚後も理想の住まいを求めて引越しを繰り返し、4回目でこの築34年のマンションに辿り着きました。最初は賃貸で住んでいましたが、上層階に分譲物件が出て、マンションの立地環境と住民のコミュニティを気に入っていたこともあり、購入を即決。リノベーションで自分たちの理想の住まいをつくることにしました。
コンクリートの質感がやわらかな表情を見せる。右側の低く長い棚は、収納と腰掛けを兼ねている。
13.2メートルの「土間」を持つ家
コンセプトにしたのは、“人がたくさん来てパーティーを楽しめる家”。一級建築士として自らの住まいに対する考え方を整理した結果、完成したのは13.2メートルの「土間」を持つ家でした。まず、訪れる人に「ここ普通の家?」と、驚きを与える土間は、日本家屋の建築要素を取り入れたもの。玄関から縁側風に作り上げたベランダまで、心地よい人と風の流れをつくっています。
さらに、脱LDKの発想から、あえて玄関や廊下をつくらず100m2としてはリッチな1LDK+S(サービスルーム)という間取りや、煩雑になりがちな収納を大きなトランクルームに集約するというアイデアなど、住空間の隅々に自らの考えを取り入れていきました。
「縁側」のようなベランダを実現。
心地良さに合わせてカスタマイズ
ご夫妻:持ち家になって、何より楽しみになったのが家をカスタマイズしていくことです。デザインの研鑽を兼ねて、たびたび出かける海外旅行では、部屋に置きたい家具や雑貨を探すのが楽しみ。フランスのウォールステッカーで飾った壁や、東ドイツで見つけたアンティークの食器、北欧のアートなど、一つひとつが暮らしの空間をつくっていきます。
また「家を人に合わせて変えていく」という住宅設計に対する思いのもと、これからも暮らしの変化に合わせて空間をカスタマイズしていく予定です。
洗面、洗濯、トイレなどの機能が一カ所にまとめられたホテルのような空間。
旅先のデンマークから手荷物として大切に持ち帰ったという思い出の品。
間取りで見るビフォーアフター
100m2を贅沢に1LDK+Sの間取りとして使用したMさんご夫妻の住まい。玄関からベランダまで続く「土間」がアクセントになっています。

リノベ暮らしInfo
- ■家族構成:
- 夫婦(40代)
- ■専有面積:
- 99m2
- ■既存建物竣工年:
- 1974年
- ■リノベーション費用:
- 1000万円
- ■設計施工会社:
- 株式会社アポロ計画 リノベエステイト事業部
■取材後記■
ドアを開けた瞬間、目の前にまっすぐ伸びる土間があって驚いたことが大変印象に残っています。「まるでインテリアショップみたい!」と思わせるようなレイアウトですが、見た目の大胆さだけでなく、実際の使い勝手も良さそうです。
またウォールステッカーを貼ったり、照明にこだわったりと、お二人が住まいのカスタマイズを楽しんでいる様子が、随所から感じられる取材でした。家をつくるところから始まり、住みながらつくりかえていく楽しさ、それがリノベーションの醍醐味なんだと思います。中古マンション+リノベーションの魅力に感動しました。














